【一言居士】―2022年12月―
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小学4年生のとき、「2分の1成人式」があった。教室に保護者を呼び、10歳になる生徒たちがそれまでの感謝を述べたり、将来の夢を発表したりする行事だ。大きなイベントではないが、生まれてから10年間の自分を振り返る「節目」となる機会だった▼今年4月から成人年齢が18歳に引き下げられた。それにより、施行当時の18歳と19歳は突然に成人となり、保護者の同意なくさまざまな手続きなどができるようになった。一方で、契約トラブルや詐欺被害も問題になっている。急に「あなたは成人だ」と言われても、従来の20歳成人の制度ほど「節目」という実感は得られず、「節目」感を伴わずに与えられる自由は、リスクや責任に関する意識が欠けたものにならざるを得ない▼先日、「成人式」に代わる「はたちの集い」のお知らせの封筒が届いた。成人年齢が18歳となった今、成人式は名前を変えざるを得なかったようだ。これまで「二十歳で大人になる」という明確な節目だったはずの正式な「式」は、単なる「集い」になってしまったのだろうか。
(文責・山野)