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【インタビュー】東北大出身の先生が送るエール 未来の後輩となる君へ

  「受験は通過点」という言葉がある。今まさに2次試験を控える読者にとっては先の話を提示されることは酷かもしれないが、合格し入学すれば大学生活が始まるのは事実だ。軽い気分転換と思ってほしい。



 本学を卒業・修了して本学に勤める先生方に話を聞き、受験経験や学生生活、現在の専門分野との出会いを掘り下げる。経済学研究科の川端望教授は一般入試で経済学部に、工学研究科の志田原美保准教授は推薦入学I(当時、毎年秋に実施されていた入試)で工学部に合格している。(聞き手は小平柊一朗)



食らいつき 自分で探せ  経済学研究科  川端 望 教授


かわばた・のぞむ 1964年、宮城県生まれ。
92年、本学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。
博士(経済学)。2007年より、本学大学院経済学研究科教授


―どのように志望を決めましたか


 高校2年生の頃に、漠然と東北大の文系学部に進学したいと考えました。家庭環境や世情の影響で、社会や経済に問題意識があったためで、マルクス経済学など社会科学を勉強したかったです。



―本学での学生時代をどう過ごしましたか


 入学当初はSFにどっぷり。2、3年生では一転して学生運動に参加していました。うまくいったこともありますが、主張しても人の心に響くとは限らないと実感できたことが、最大の教訓です。



―その後、研究職を目指すまでの経緯は


 会社員には向かないと思っていたので、当初から大学院まで進学するつもりでした。しかしあまりに勉強しなかったため指導教官に「勉強せずに運動ばかりしていると、将来必ず堕落する。自分の主張自体をよく分かっていないと、ささいなことで反対の立場に移ってしまう」と𠮟られました。ショックでしたが、ありがたくもありました。



―現在の専門は


 産業論で、主な対象は鉄鋼業です。統計資料や会社へのヒアリングなどから、産業の様相や構造を再構成して、法則性を見つけ出します。多様な要因が複雑に絡み合っているため、定性的かつ叙述的なアプローチをとります。数理的アプローチが強くなっている経済学では主流とは言えない方法ですが、独自の意義があると思っています。



―最後に受験生へ応援メッセージを


 大学には、人生を戦う力をつけるための材料がたくさん転がっていて、かつ高校よりも自由に行動できます。一方、「勉強・研究してみたい」と思うテーマや、それに適する先生を探して食らいついていくことが、大学では大切になります。教員はそうした学生を心待ちにしています。暗中模索で愚かな失敗をするのも、大学生の特権です。自由な活躍の場を手に入れるためにも、もう少し頑張りましょう。



視野広く 面白さに素直で  工学研究科  志田原 美保 准教授


しだはら・みほ 1974年、島根県生まれ。
2002年、本学大学院工学研究科博士後期課程修了。
博士(工学)。昨年より、
本学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻准教授

―本学の志望理由は


 高校1年生の夏に、原子力を学べる学科を探した際、東北大の三つの理念に共感して選びました。一般入試を受験するつもりでしたが、担任の勧めで推薦入学も受験することにしました。



―専門分野と、その出会いを教えてください


 核医学と呼ばれる、放射性同位体を用いた医学領域を研究しています。利用例の一つに、放射性同位体を含む薬を患者に投与し、出てくる放射線を体外から計測して処理すると、薬がとどまった場所や量が画像で分かる核医学検査があります。つまり、病気の場所の特定などに役立つわけです。学部生のとき研究室紹介で出会い、その高い汎用性に興味を引かれ、今に至ります。



―大学生にはどんな心構えが必要だと思いますか


 一番は「この研究が面白い」「あの数式がきれい」といったポジティブな感性を磨くことです。大学では新しい情報を数多く得られますし、いつどんな知識が必要になるかは分からないので、視野を広く持ち、アンテナを張るといいですね。面白いと思った理由を掘り下げると、直感を裏付ける何かに出会えることもあります。



―最後に受験生に向けて応援メッセージを


 東北大には好きな研究に打ち込んだり、何かを一生懸命考えたりできる環境があります。入試本番、私は腹痛になりやすかったので、お腹を温めて臨みました。本来の力を発揮できるよう、応援しています。

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