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【ニュース】学食メニュー、全国的に値上げ 材料・物流・人件費などに影響~東北大生協は値上げ幅小さく~

  東北大生協は先月1日、食堂商品の価格を改定した。円安による原材料費や物流費の高騰、人件費の上昇により、従来の価格の維持が困難になったことが主な要因。


◆ 価格改定内容(値段は例)


 今回の値上げは全国の大学生協で一斉に行われた。原因の一つは輸入食 材の価格の高騰。円安の影響で、昨年10月と比べ肉や野菜が約20%値上がりしている。揚げ物に使用される油は倍近く上がった。原材料全般が値上がりしているが、中でもパンや揚げ物、カレールーなどの加工食品に使われる小麦の高騰は大きな打撃になった。



 物流費の高騰も重なった。2020年ごろから新型コロナの影響で続いていたガソリンの値上げが、主要な石油産出国であるロシアのウクライナ侵攻によって拍車がかかった。人件費も年々上昇している。県内の最低賃金(時給)はほぼ毎年改定され、現在の最低賃金は前年と比較して30円上がっている。



 これら複合的な理由から、やむを得ず食堂商品の値上げに踏み切った。それでも同生協は、全国と比べて値上げ幅は小さい。全国的に、小鉢については学生の栄養バランスを考え、値上げを実施しないが、それ以外の商品は10~30円の値上げを実施する。だが、同生協は学生の経済的負担を考慮し、商品によって独自に値上げ幅を抑えたという。



 名前を変えながら50年以上愛されてきた人気メニュー「自家製カレー」は、他のカレーが22円の値上げなのに対し、11円の値上げとした。朝定食は学生にしっかり朝食をとってほしいとの願いから、夕定食に比べて値上げ幅を抑えた。単なる値上げではなく、味噌汁を追加するなど構成を変更する。



 食堂商品の単価を抑える取り組みも行われている。レジではどの商品がどれくらい売れているかを記録するPOSデータを利用し、廃棄率を抑えた。さらにブラストチラー(急速冷却機)や真空調理機といった最新鋭の機械を各店舗に導入した。この導入は全国的にも珍しく、他大学の生協や食堂が視察に来るほど。新調理システムと呼ばれ、作業の効率化に一役買っている。



 今後の値上げの可能性について、社会情勢によっては否定できない。だが、「今年度も自炊教室やYouTube配信などさまざまな企画を考えている」と、食堂事業担当次長の宮崎研さん。学生のため、精力的に活動する意向を示した。

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