【冷やし中華作りました】夏だと思えば寒くない!? 自己暗示で冬を乗り切れ
仙台の冬は寒い。もっと寒いところなどごまんとあるだろうが、知ったことではない。ついこの前まで暑い暑い言っていたはずなのに、気付けばひどい寒さ、全くもって理不尽である。「夏を取り戻す」そんな野望の下に集まった哀れな部員たちは4人。だがどうすれば夏を取り戻せるのか、3日間必死にインターネットで問い続け、冷やし中華を作ろうとの結論を得た。
なんとなく部室に集まった部員たちだったが、部室棟での火の取り扱いは厳禁。ぐだぐだな計画から目をそらし、「夏と言えば川」、そんな安直な考えのもと部員たちは広瀬川に集まった。この日の仙台の最低気温は4.7℃。夏ならまだまだ太陽が出ているはずだが、今日の太陽はとうの昔に沈んでいる。寒さに震える部員たちには早くも後悔の表情が広がった。暗闇の中、急いで買ってきたガスコンロに急いで洗った鍋を載せ、急いで買ってきた麺をゆでる。部室にてあらかじめ用意した具材を盛り付ければ、ほぼ完成だ。凍えるような外気で冷やしたつゆをかけ、数分置けば冷やし中華の完成だ。冷ます工程を全て外気温に依存させた、「環境依存型冷やし中華」が誕生した。
冷たい麺たちが凍える体に刺さるよう。冷やし中華のおいしさとは裏腹にみるみる体は冷えていく。だがコンセプトはあくまで夏。とある部員は上着を脱ぎ捨て半袖になり、夏だ夏だと叫んでいた。
撤収時の寒さが憎き冬を思い出させる。「夏といえばアイス」、またも安直な考えの下アイスを購入し、部室に帰る。やはり暖房の効いた部屋で食べるアイスは格別であった。これ自体冬っぽいということについては目をつぶる。
寒さを忘れることに成功した部員たち。余った食材を真面目に働く後輩に押しつけ部室を後にする。冬は川へと置いてきた。そんな宣言をするも、舌の根の乾かぬうちに肉まんを手にして温まる部員たちの姿がそこにはあった。