メディアテーク、建築の秘密 柱は並木 公園のような空間に
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定禅寺通りでひときわ目を引く大きなガラス張りの建物、それがせんだいメディアテークだ。名前はフランス語で「メディアの入れ物」という意味を持つ。内部には仙台市民図書館やギャラリー、映像センター、スタジオなど、媒体を問わず多くのメディア資料が収蔵されている。目や耳が不自由な人のための情報提供も機能の一つだ。本学の学生団体が展覧会や演奏会を行うこともある。
せんだいメディアテークの建築の中でも特徴的なのが、1階から最上階の7階までを突き抜けるチューブのような13本の柱の構造だ。20年に行われた伊東豊雄氏と現館長である哲学者の鷲田清一氏による講演会「メディアテークは、なにを目指していたか」によると、当初メディアテークの外観イメージは、水中や水槽を眺めたかのようなものだったそうだ。建物内のチューブはその中をゆらめく海藻のイメージだった。その構想は、あとから定禅寺通りに並ぶ木に変わったという。
メディアテークの内観 |
講演会の中で、伊東氏はメディアテークがもたらす空間を「公園」と例えていた。建物を構成する13本のチューブは、それぞれの間に複数の空間をつくりだす。その空間の日当たりや広さはさまざまで、まるで公園に植わっている木のようであり、それぞれの木陰では利用者が自由に活動することができる。
また、壁を減らしたフラットな構造であり、チューブが透明な素材を使っているであることから、空間が完全に隔離されることが少なく、別のフロアの様子がそれとなくうかがうことができる。これも多くの人がそれぞれの活動を行いながらも空間自体は共有している公園と似通っている点だ。
本講演会の動画は、動画配信サイトのYouTubeで全編を通して無料で視聴できる。
動画、写真の資料提供:せんだいメディアテーク
(津波依織)
(津波依織)