全国の芋煮を作る
今年も芋煮の時期がやってきた。本学学生は毎年、この時期広瀬川河川敷で寒空の下、鍋を囲って団らんするものだ。しかし、日程調整がうまくいかず芋煮会への参加を見送った筆者は今年、自宅で作ることを試みた。想像で材料を決め、「関東風」「関西風」「九州風」とした芋煮をここに残したいと思う。去年は芋煮会の記事であった枠に個人の芋煮をねじ込んで申し訳ないが、ほんの少しでも時間を割いてもらえるとうれしい。
【関東風】
味のベースはカツオだしと合わせみそとした。具には共通具材であるダイコン、ニンジン、ゴボウに加え、豚肉やネギを足した。今回作った3種類の中で最も舌なじみの良い芋煮であった。おそらく一般的な豚汁と同じ味付けだったのだろう。
【関西風】
味のベースは丸い風味のアジだしと甘みのある白みそで作った。予想通り淡白な味付けになったため、さっぱりとして脂のコクが味わえる鶏モモ肉がピッタリであった。本来、ここに水菜を入れる計画で準備していたのだが、狭いキッチンを占拠する具材たちに翻弄されるうちに入れるのを忘れてしまっていた。緑がなく寂しい色調であったため、悪あがきで小ネギを散らしたがどうだろうか。白黒の紙面では分かりにくいだろうから、より詳細が確認できるウェブ版を見てほしい。
【九州風】
味のベースはアゴ(トビウオ)だしと九州醤油(甘口醤油)とした。甘めの汁に柔らかいアゴだしと出汁兼具材のシイタケは和食らしい風味を全面に押し出している。また、これまでささがき一辺倒のゴボウは四つ切にし、ちくわの穴に通した。芋枠で採用した紫芋は、色が汁を汚すことを防ぐため、別で加熱したものをお椀で合わせて盛り付けた。そのため前者二つのような煮崩れするホロホロ感はなかったが、それも一つの食感なのかもしれない。 (竹室斉紘)


