【部活動】学友会自動車部 自らの整備車駆使 大会優勝へ
㊤ダートトライアルに挑む整備車
(いずれの写真も同部提供)
㊦ジムカーナ競技で走行する整備車
目まぐるしく変化する速度の中でコースを攻略し、1秒を競う世界。自動車競技では車両の特性を踏まえつつ、事前にコースの状況を分析する知能と高度な操縦技術が試される。非日常的な興奮と緊張感が魅力の過酷なスポーツだ。本学学友会自動車部は、自ら整備した車を駆使して勝利を目指し、日々腕を磨いている。本競技に挑む彼らがどのような目的で活動しているのか、その実態に迫る。同部に所属する宮城亮輔さん(工・3)に話を聞いた。(聞き手は岡崎陸斗)
部員は各学年5、6人ほどで、修士課程の院生も多く在籍している。6年間活動を続ける者も珍しくないという。部員の多くは自前の車を所有しており、学業と並行して、生活の多くの時間を自動車競技にささげている。
最大の目標は、毎年秋に行われる全国七大学総合体育大会(七大戦)での総合優勝だ。近年は西日本の強豪校に押されているが、全部員の技術を底上げすることで王座を狙う。
競技は舗装路を走るジムカーナと、砂利道を走るダートトライアルの2種目が中心だ。どちらも1台ずつ走行して完走時間を競う。コース上の標識に触れると罰則が加算されるため、正確かつ迅速な運転操作が勝敗を左右する重要な鍵となる。
東北地方の大学連盟で月に1度の大会を開催するほか、8月に本学が主催する「東北大G」には全国から約60台もの車両が集結する。現役部員だけでなく、多くの卒業生も参加して技術を競い合う。競技を通じて、世代を超えた深い交流が生まれている。
富沢にある練習場を拠点とし、専用の整備場で作業を行う。外部に委託せず、自らの手で車を維持するという。油脂類の交換といった軽作業から、変速機の交換や部品の分解修理などの重整備まで、部員たちが自力で行う。
練習は部員の主体性に任されており、各自が目的を持って取り組む。新潟県の練習会などに参加し、数十年の経験を持つ熟練者に助言を仰ぐこともある。外部の知見を積極的に取り入れ、自らの操縦技術を極限まで高めていく姿勢が常に求められる。
入部直後の初心者は、広場で白線の枠内を正確に走る訓練から始める。目標地点に車輪を収めるなどの基礎練習を繰り返すことで、車両感覚を把握する。この基本動作の徹底が、後に高速で走行する際の安全確保と確実な操作を行うための土台となる。
秋には青森県の専用コースで新入生向けの走行会を実施する。先輩が助手席に同乗して、急制動や旋回のコツを直接指導する。初めて本格的な競技走行を体験し、車の限界性能を知ることで、公道での運転では味わえない緊張感と責任を学ぶ。
安全面への配慮も欠かさない。走行時は常に先輩が目を光らせ、不測の事態には助手席から制動を手助けすることもある。早期の免許取得を促し、交通規則の遵守と安全意識をたたき込む。無謀な運転ではなく、理知的な操縦の習得を目的とする。
宮城さんは自動車競技について、「費用はかかるもののそれに見合う大きな魅力がある」と語る。車への関心がある学生に向けて、いつでも部室の見学に来てほしいと呼び掛け、新たな仲間の参加を心待ちにしている。


