附属図書館記念展示「響鳴する知の遺産~グローバル視点による名著の数々~」開催
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本学図書館本館のリニューアルオープンでの目玉の一つとしてグローバル学習室がある。本学はスーパーグローバル大学のトップ型に採択され、更なるグローバル人材の育成を目指していく。図書館としてもグローバル学習室の設置などを通して学生どうしが共に学びあえる環境を整え、学生のグローバル意識が高まるよう後押ししている。
展示は四部構成に分かれ、第一部は主に本学が所有する世界的名著の展示である。マルクスの『哲学の貧困』は長年マルクス自身が保有し研究の資料としたため、マルクスの直筆の書き込みの跡を見て取ることができる貴重な本である。また、教科書で目にした歴史的名著も展示されている。『リヴァイアサン』の初版本では世界史や政経の教科書で一度は誰もが目にしたあの挿絵を見ることができた。本学図書館では『リヴァイアサン』は版の異なるものを三冊所蔵しそれぞれ挿絵が異なっているという。
第二部は江戸時代に渡来した文化の紹介である。この展示からは江戸時代の人々が蘭学を通して西洋の最新の科学を学習した足跡を追うことができる。鎖国下の日本ではキリスト教に関する洋書は輸入禁止であったが、天文学や医学などの実用書はいちはやく輸入され翻訳された。『解体新書』や国際法を漢訳した『万国公法』がこの部では展示されていた。
第三部は「クールジャパン」の原型を江戸時代の著作からうかがうことができた。江戸時代のレシピ本やファッションについての書籍からは「クールジャパン」の原型を見て取ることができ興味深い。
第四部は学術交流についての展示である。夏目漱石のロンドン留学中の日記からは、『倫敦塔』につながる漱石の思索をうかがい知ることができる。また、本学の医学部の前身にあたる仙台医学専門学校時代の魯迅のノートも展示されていた。
本学図書館の事務部長を務める米澤誠さんは「展示会の折には他の大学にはない貴重な書籍を目にして自らの素養をのばして欲しい。また、SAPなどの海外留学の際に行った先で日本文化を紹介できるようになって欲しい」と語る。
次回の企画展示は、来年三月の青葉区の国際センターで開催される国連防災世界会議に合わせたものになる。生まれ変わった図書館の今後の企画展示が、学生の心に火をつけるものとなることを期待したい。