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【ニュース】最低賃金 県内40円引き上げ

  10月から宮城県の最低賃金は923円と40円上昇した。一方で東京都や神奈川県などとは未だ200円近く差がある。また各都道府県が物価に応じ賃金も変動できているか、疑問が残る。本学大学院経済学研究科の北川章臣教授に最低賃金と物価の関係、経済の影響について話を聞いた。



 最低賃金とは、全労働者に支払うべき賃金の最低額を指す。中央審議会が示した引き上げ額の目安を基に各都道府県の審議会が審議し、労働局長が決定する。この最低賃金と地域ごとの物価について北川教授は「物価を考慮した実質賃金で比較しても大都市圏の方が高い可能性がある」と話す。



 最低賃金を決める際は各地域の企業の生産性が重要だ。東京などの大都市圏は大きい市場の中で激しい競争が起き、生産性が高い企業が生き残って給料は高くなる。一方地方は競争が緩やかで生産性が低い事業者も生き残りやすく賃金水準は低い。その結果、物価を考慮しても地域間で実質賃金に差が生まれる。



 賃金額の差を是正することで、都市部への人口流出を抑制できる可能性もある。しかし北川教授は、例えば東京を基準に全国一律の最低賃金を設定した場合、地域経済が壊滅的な打撃を受け、むしろ大都市圏に人口が集中すると指摘する。



 同じ最低賃金が採用される宮城県内では、地方の方が物価が安く実質賃金が高いように思われる。だが仙台市内は賃金相場が比較的高く人手確保のため賃金を高く設定するのに対し、仙台市外では生産性が低くなり、賃金が最低賃金とほぼ同額となる。加えて地方は買い物などで遠くへ行くのに移動コストもかかり、「地方の方がより負担感が増すのでは」と述べた。



 最低賃金増加に伴う宮城県経済への影響については、仙台市はそもそも最低賃金以上の額で支払われることが多く「影響はない」とする一方、仙台市外は最低賃金で雇用する傾向が強く、賃上げによる廃業や雇用減少を影響に挙げた。


生産性と賃金の関係に言及する北川教授


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